南千住汐入(東京都荒川区)

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南千住汐入は、東京都荒川区の東部に位置するニュータウンです。「汐入」は荒川区の東端、隅田川が大きく蛇行した部分にあった街の名前です。現在の南千住四丁目と八丁目付近に該当します。下町情緒が残る荒川区ですが、近年では南千住駅周辺や日暮里駅周辺が再開発され、近代的な街並みが増えつつあります。今回取り上げる南千住汐入は、1987年に国交省および東京都が再開発に着手した地域です。東京都では「白鬚西地区市街地再開発事業」という事業名がつけられています。再開発の規模は約49ヘクタールと都内最大級で、点ではなく面の開発が行われました。2010年に事業が完了し、現在は約4,500戸の住宅を抱える、日本有数の都市型ニュータウンに成長しています。受賞歴としては、2006年に全建賞「都市部門」、2010年に全国市街地再開発協会「功労者等表彰」を受けています。



南千住汐入のキーワード
1.防災都市 2.スーパー堤防 3.隅田川テラス




南千住汐入MAP




南千住汐入の利便性



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<べるぽーと汐入。南千住汐入の中心に位置する。>




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<南千住駅東口から伸びるドナウ通り。商業施設が建ち並ぶ。>



生活の利便性:★★★★★


南千住汐入の中心部には「べるぽーと汐入」という商業施設があり、スーパーや郵便局、各種商店が揃っています。また、南千住駅近くにも2つの商業施設があり、スーパーのほかスポーツジムなどがあります。どちらも都内のわりに広々としており、多くのお客さんで賑わっている感じです。店舗が複数あるので選んで買えるところがいいですね。駅近くの商業施設でも駐輪場があるので、自転車でサッと買い物に行けそうです。このほか、街から外れると下町風情漂う店が残っており、うなぎや蕎麦など老舗の味を堪能できます。
最寄駅の南千住駅は、JR常磐線、地下鉄日比谷線、つくばエクスプレス線が乗り入れるターミナル駅です。地下鉄日比谷線は南千住に車庫があり、始発列車が設定されています。上野駅まで直通3駅6分。その先、秋葉原や銀座も乗り換えなしで行けます。極めて便利な立地であることは、言うまでもありません。なお、隅田川対岸にある東武線鐘ヶ淵駅も利用できます。スカイツリーや錦糸町方面へは、こちらが便利でしょう。都バスの路線が張り巡らされていることも注目です。


南千住汐入の街並み



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<南千住汐入の一般的な街並み。>




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<デザインを一工夫した都営アパートが並ぶ。>




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<南千住駅付近のタワーマンション群。>



南千住汐入の歴史

この地の歴史は古く、1561年に上杉謙信の家臣であった高田氏が移り住み、街の開発がはじまりました。近代に入ると、河川と鉄道が近いことから物流拠点として発展。大規模な工場も建てられました。その後、関東大震災や東京大空襲があったものの大きな被害はなく、結果として狭く入り組んだ路地に木造家屋が密集する街になってしまいました。そこで1969年、東京都は震災対策、生活環境の改善及び経済基盤の強化等を目的とした「江東再開発基本構想」を策定。1987年に、大規模な再開発が開始されました。この再開発に伴い、街にあった住宅は全て解体。その中には、江戸末期に建てられた高田氏の武家屋敷もありました。
現在の南千住汐入に、古い街の面影はありません。別の街にすり替わったと言ってもいいでしょう。解体された高田氏の屋敷は、現在も木材が保存されており、文化財として再築が期待されています。





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<2006年に開通した千住汐入大橋。隅田川最後の渡し船「汐入の渡し」があった。>




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<南千住汐入の中心部を貫く「けやき通り」>




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<街並みに溶け込む汐入東小学校(左の建物)。>




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<汐入東小学校付近の汐入公園散策路。>




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<交通量が少ない通り。都バスの停留所がある。>




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<都会的な街並みと、郊外的な道路と緑地。対比が面白い。>



美しい街並み:★★★★★


南千住汐入は戸建住宅がなく、集合住宅や公園で構成されています。建物が倒壊したり火災に巻き込まれる可能性が低く、災害に強い都市といえます。集合住宅の多くは、都営アパートが占めています。スタイリッシュなデザインや色遣いで、昔の団地っぽさは薄れています。全体的に建物を詰め込みすぎで、圧迫感があるのが残念です。
南千住駅近くには、4棟のタワーマンションがあります。その中の一つ「ロイヤルパークスタワー南千住」は、なんと天然温泉を備えています。都心近くで温泉付きタワーマンションとは、なんとも贅沢な仕様。当然ながら、賃料は以前の南千住では考えられない数字です。
再開発により人口が爆発的に増加した南千住汐入。若年層の増加は想定外だったようで、2010年に汐入東小学校が新設されました。学校用地は準備していなかったため、マンション予定地に建設。隣接の汐入公園を、校庭代わりに使うようです。地上8階建ての校舎は、傍から見るとマンションのように見え、街並みに一体感が出ているのが皮肉ですね。


南千住汐入の自然



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<汐入公園の広場。中央にあるモニュメントは日時計。>




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<汐入公園の芝生広場。スーパー堤防上にある。>




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<汐入公園にある案内板。桜の名所でお花見も楽しめる。>




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<汐入公園のバーベキュー広場。街中にある公園では珍しい設備。>




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<南千住汐入の西側。集合住宅が多い隅田川沿い。>




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<南千住汐入の南側。JR貨物の隅田川駅がある。>



緑豊かな自然:★★★★★


南千住汐入には、災害時に約12万人を収容することができる都立汐入公園があります。汐入公園の面積は約13ヘクタールあり、荒川区最大の公園です。「豊かで多様な水辺と緑に彩られた、活力と潤いのある川辺のひろば公園」をテーマに整備され、園内には多目的広場やテニスコート、各種遊具と東京の市街地では珍しいバーベキュー広場があります。スーパー堤防部分は芝生の広場になっており、なかなかの開放感を味わえます。なお、汐入公園のほかに公園はありません。小規模公園をいくつか設置するより、まとめて大公園にした方が、防災面を考えるといいようですね。
南千住汐入の周辺は、下町的な低層住宅街が多く、緑地が少なめです。線路向かいの南千住七丁目は、整った並木道があるものの、公園はほとんどありません。南千住汐入の南側は、JR貨物の隅田川駅が広がっています。将来的に再開発を期待したいところですが、2013年時点で輸送力増強工事が行われており、変化の見込みはないでしょう。隅田川の対岸に位置する堤通地区は、野球場などを備えた都立東白髭公園があり、汐入公園とともに防災拠点に位置づけられています。この場所は、「江東再開発基本構想」により開発が行われた場所で、都営白髭東アパートは防火壁として機能する連結団地として有名です。


南千住汐入の必見ポイント



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<隅田川テラス。スーパー堤防の形がよく分かる。>




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<隅田川沿いの遊歩道。対岸の足立区も再開発されている。>




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<リバーサイドの街並み。>




必見ポイント:★★★★★


南千住汐入といえば、リバーサイドの街並みです。かつての隅田川は、カミソリ堤防と呼ばれる高い壁で街と隔てられ、橋の上からでないと水面が見えない状態でした。しかし、再開発後は景観が一変。スーパー堤防が整備され、安全と安らぎの空間が創出されています。汐入公園付近では水面近くまで行けるようになり、また隅田川に沿って遊歩道がつくられ、散歩やジョギングコースとして利用されています。生物の保護区(サンクチュアリ)が設けられ、自然を身近に感じられるのも特徴です。東京都では、隅田川沿いの親水空間を「隅田川テラス」と名付けて整備を進めています。今後、周辺地域と連続する散策コースがつくられることが期待されています。
地域を分断していた隅田川が、橋の新設、親水空間化によって街の資産に変わったのは必見です。スーパー堤防自体が、まだまだ珍しいものなので、南千住汐入が今後の良いモデルとなるでしょう。


南千住汐入の評価





南千住汐入の評価結果
生活の利便性★★★★★
美しい街並み★★★★★
緑豊かな自然★★★★★
必見ポイント★★★★★
総合評価★★★★★




南千住汐入は、都心近くでは数少ない整った街並みが魅力です。ただし、集合住宅ばかりなので圧迫感があります。各アパートも、これといった個性があるわけではなく、少々退屈です。歴史がある街だったので、史跡エリアがあってもよかったように感じます。今後、前田氏の屋敷を再築するのか注目です。



南千住汐入の不動産物件


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